第65章

今日より前だったら、カリーナはアリシアに、ユゴスとは身分が釣り合わないのではないかと一言くらい忠告していたかもしれない。けれど自分のほうこそ、アリシアにエイモスへの好意を見抜かれたばかりだ。さらに「公爵家は身分よりも本人たちの意思を重んじる」とまで言われてしまえば、いまさら何を偉そうに言えるというのか。

それにユゴスは、どう見ても才能がある。上級生の先輩ですら敵わないのだから、将来は相当な職業者になる可能性も高い。強い職業者なら平民出身でも貴族に敬われるし、彼は騎士だ。功績さえ積めば、叙爵だって夢物語ではない。

寮に戻った頃にはもう遅く、門限の11時まで残りわずかだった。時刻はすでに10...

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